医療事務 2024.12.23

「貴院」の読み方と正しい使い方|「御院」との違いも解説

「貴院」の読み方と正しい使い方|「御院」との違いも解説

医療機関への就職・転職活動を行う際、「貴院」という言葉をよく目にします。この「貴」は改まった場面で使用する敬称ですが、医療機関への就職活動や連絡では、どのような表現を使用するのが適切でしょうか。
この記事では「貴院」の読み方や使用方法、「御院」との違いや、状況に応じた使い分けについて詳しく解説していきます。

「貴院」の正しい読み方・使い方

「貴院」は「きいん」と読み、書面で医療機関に対して丁寧に呼びかける際に使用する表現です。これは会社に対して「貴社」と表現するのと同様に、頭に「貴」を付けることで敬称となります。
医療機関の種類によって、医療法人の場合は「貴法人」、施設の場合は「貴施設」というように使い分けます。

「貴診療所」や「貴クリニック」という表現は一般的ではありませんが、文法的には正しい表現です。なお、クリニックや診療所に対しても、医療施設という総称を用いて「貴施設」と表現することが可能です。

また、医療施設の運営主体が株式会社である場合は、一般企業と同様に「貴社」という表現を使用することができます。

使用上の注意点として、「貴」を使用する場合は末尾に「様」を付けないようにします。「貴」自体が敬称としての役割を果たしているので、「様」を追加すると二重敬語という誤った表現となってしまうためです。

医療機関に使用する敬称まとめ

医療機関に使用する敬称について、形態ごとの使い分けを以下にまとめます。

施設形態 敬称
病院 貴院
母体が株式会社 貴社
診療所、クリニック 貴診療所、貴クリニック、貴施設
医療法人、社会福祉法人 貴法人

「御院」との違い

「御院」との違い

「貴」は書き言葉で用いる敬称であるのに対し、「御」は話し言葉で使用する敬称です。そのため、履歴書・職務経歴書・紹介状といった文書では「貴院」を使用し、電話での応対や面接など口頭でのコミュニケーションでは「御院(おんいん)」を使用します。

口語で使用する「御」を用いた表現としては、「御院」の他に「御法人」や「御施設」などがあります。

面接時は緊張から「貴院」と言ってしまうケースもありますが、日頃から「御院」という表現を意識して使うように心がけることで、適切な場面で自然に使用できるようになります。

宛名の書き方

宛名の書き方

医療施設宛ての場合は「御中」を付けることで問題ありませんが、個人宛ての場合は敬称の使い方に注意が必要です。よくある誤りとして、「○○院長様」や「○○先生様」のように二重敬語になってしまうケースがあります。

院長、師長、施設長といった役職名、また「先生」という呼称も役職として扱われるため、末尾に「様」を付けると不適切な表現となります。

正しい宛名の書き方としては、役職を個人名の前に置く形式を取ります。
具体的には「院長 ○○様」「施設長 ○○様」のように表記します。このように役職を前に配置することで、二重敬語を避けつつ、礼儀正しい表現となります。

おわりに

「貴院(きいん)」は、文章において医療機関に対して丁寧に呼びかける際に使用する表現です。医療機関の形態によって、病院の場合は「貴院」、医療法人・社会福祉法人には「貴法人」、クリニックや診療所に対しては「貴クリニック」「貴診療所」、もしくは「貴施設」を使用します。
また、運営母体が株式会社である場合は、一般企業と同様に「貴社」という表現を用います。

重要な点として、書き言葉では「貴院」を使用しますが、話し言葉では「御院(おんいん)」を使用します。具体的には、履歴書・職務経歴書などの文書では「貴院」を使用し、面接や電話などの口頭でのコミュニケーションの際には「御院」を使うのが正しい表現となります。

これらの使い分けを意識することで、医療機関への転職活動の際、適切な言葉遣いが身についていることをアピールできます。

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